特別セレクション TRASH-UP!! 推薦作品
70年代ジャパニーズ・ホラーの幻の傑作、再び劇場に
HOUSE ハウス
5/31(月) 14:00 6/8(火) 21:00
1977年/35mm/88分/日本
提供:東宝
監督:大林宣彦
出演:池上季実子、大場久美子
夏休み、七人の少女が古い屋敷に合宿をするとくれば、殺
人鬼による血の祝祭が待ち伏せているというのが映画の
ルールだ。実際のところ、館主の老婆はちゃんと期待に応
えてくれる。しかしこの映画は、恐怖だけでは飽き足らず、
移ろいやすい少女たちのテンションとともに目まぐるしく
表情を変えるため、まるでバラバラなものを強引にひとつ
に縫い合わせたようなキッチュさに彩られている。音楽も
また然りで、その縫い目を誤魔化すように動物の鳴き声が
不吉に響く。しかし少女の身体とはそもそもバラバラで、
ひとつの身体とは仮初めに縫い合わされたに過ぎず、大人
になるとはその切断と縫合の繰り返しによって成就される
ものだ。バラバラにされた少女たちの身体が、血の海を経
て母体へと縫合されるとき、HOUSE とは不思議の国であっ
たことにようやく気づくだろう。
ポップでキッチュ! 夢とファンタジー溢
れる少女映画の大傑作にしてショッキング
なホラー映画、そして大林宣彦の監督デ
ビュー作『HOUSE ハウス』。池上季実子、
大場久美子、神保美喜(クンフー!最高)
など70年代のトップ・アイドルたちが全
盛期のゴダイゴの音楽にのって“ 家(ハウ
ス)”に次々と食べられていく姿は、爆音
上映によってキラキラとスクリーンの中で
輝くことだろう。「一体トラッシュ・カル
チャーとは何なのか?」という方に、ぜひ
観てもらいたい!!(屑山屑男/TRASH−UP!!)