映画祭事務局セレクション  新作『サウダーヂ』のための募金大募集イヴェント
荒み行く甲府の街に響く遥かなる未来の声、音、物語
Furusato 2009
5/31(月) 21:00
2009 年/HDV/50 分/ 日本 提供:空族
監督:富田克也

富田克也×相沢虎之助×中原昌也他トークあり

シアター2にて空続まつり開催
 
『国道20号線』で社会学者の宮台真司氏に大絶賛された、 映像制作集団「空族」のメンバーである富田克也の最新作 であり、次作『サウダーヂ』のためのプロローグでもある この映画は、地方小都市の過酷な現在を生きる声に粘り強 く耳を傾けるドキュメンタリーでありながら、なんと、往 年のハリウッドミュージカルの呼吸が息吹いている。実際 のところ、過酷な労働環境について語る土工の青年たちの 背後で鳴り響くたんなる足音がドラムンベースの重低音へ と、たんなる会話が威勢のよいフリースタイルラップ合戦 へと横滑りするとき、たんなる散歩がダンスの描きだす世 界の運動へと移行するのと同じ呼吸で、画面をリズミカル に活気づけている。ハリウッドミュージカルとヒップホッ プをドキュメンタリーで出会わせてしまったこの映画はも はや、世紀の大事件だ。
映像制作集団、空族の次回作『サウダーヂ』 公開に先がけ、甲府の街周辺を取材した映 像を特別に編集して作られたドキュメンタ リー。もちろん、それは甲府という一地方 都市に生きる人々の姿や風景を単に切り 取ったというだけの無機質なものではなく、 それ以外の様々なものが入り込んでいるが 故に豊饒な世界が映されている。
甲府の街のあらゆる場所で拾われた音と音楽の偶然と必然の重なりとそのグルーヴに、唖然とするばかり。