若き日に演奏していた激しく狂おしいロック
が頭の隅で幽かに鳴り続ける。生きていく
ことと音楽とのバランスを欠いたまま時は
流れ、心の病は時々「それでいいのか」と
ささやきかける。そんな僧侶の物語。スネ
オヘアー主演、大友良英音楽による、僧侶
とノイズと愛の映画が完成しました。ラス
トシーンで歌われるレナード・コーエンの
名曲のスネオヘアー・ヴァージョンは、『愛
のむきだし』の最後で流れるゆらゆら帝国
「空洞です」が示す「空洞」を、また別の
角度から照らし出す心震える歌になりまし
た。必聴です。
生きていくことの震えと戸惑いを堂々とと
らえたそんな映画を作り上げた加藤直輝(監
督・脚本)、佐向大(脚本)の若き日の監督作品
を2 夜に渡って上映します。上映作品は未定。
詳細はこちらの爆音映画祭HPにてお知らせします。
彼らの頭の隅でもそれらの映画が今も明滅
し、彼らをそっと狂わせていくことになる
でしょう。(『アブラクサスの祭』晩秋よりテアトル新宿にて全国ロードショー/福島県10月先行公開決定)