爆音映画祭2008の上映作品の一覧です。
『A Bao A Qu』   映画祭ボランティア作品
2007年/85分
提供:東京藝術大学大学院映像研究科
監督・脚本:加藤直輝
出演:中泉英雄、広瀬斗史輝、河合青葉、高瀬アラタ、石井順也、梓
製作:杉原永純
原作:増田圭祐
音楽:boris、裏道
音響デザイン:森永泰弘
   解説
実際に起こった連続通り魔事件を題材とした小説で時代の寵児となった小説家が、犯人の弟を主人公とした続編を書き始める。画面には小説家の日常とともに、彼が書く小説内の世界が現れ、やがてふたつの世界が交錯、融合していく。第12回釜山国際映画祭のコンペ部門“New Currents”に出品された、東京藝術大学大学院映像研究科修了制作作品。
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『ヴァンダの部屋』   提供 : シネマトリックス
NO QUARTO DA VANDA
2000年/180分
監督:ペドロ・コスタ
出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ほか
製作:フランシスコ・ヴィラ=ロボス、カール・バウムガートナー、アンドレス・ファエフリ
脚本:ペドロ・コスタ
撮影:ペドロ・コスタ
   解説
ポルトガルの鬼才ペドロ・コスタが、再開発による家屋の取り壊しが進むリスボンのスラム街にデジタルカメラを持ち込み、そこに暮らすヴァンダたちの日常をとらえた作品。フィクションとドキュメンタリーのあわいに立つ手法、闇と光、ノイズと静寂が共存する映像によって、小さなヴァンダの部屋と外の町(=世界)の交通が描かれる。今回は来日時に監督自らが爆音調整に立ち会って、音量を確認した。
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『emerger』 映画美学校作品セレクション(受講修了作品+修了生作品)
2008年/42分
提供:ユーロスペース
監督・脚本:佐藤有記
出演:占部房子、佐藤貢三、扇田拓也、向後信成
撮影:小出豊
音楽:伊藤慎介
録音:新垣一平
   解説
出会い系サイトの男とラブホテルの前で待ち合わせし、体のつながりを求める主婦と、昔の恋人をラブホテルの前で待ち続け、心のつながりを求めるゲイの男。そんなふたりが出会い物語は静かに動き始める。
   佐藤有記監督からのコメント
「聴きたい音が聴こえない。だから耳をすます。いつのまにか、聴こえないはずの音まで聴こえてくる」
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大友良英+『風の又三郎』(聞き手:須川善行)
2003年/50分
提供:NHKエンタープライズ、オフィス・シロウズ
監督:黒沢清
原作:宮沢賢治
出演:小泉今日子
撮影:柴主高秀
音楽:大友良英
音声:郡弘道
   『風の又三郎』 解説
「朗読紀行にっぽんの名作」シリーズの1篇としてNHK-BSで放映された朗読ドラマ。何かが終わってしまった場所として選ばれたある廃墟を舞台に、小泉今日子の朗読、廃墟のざわめき、大友良英による繊細な音響が対話を生み出し、現れるはずもない「風の又三郎」が召還される。
   大友良英 プロフィール
ターンテーブル奏者、ギタリスト、作曲家として、世界各地でのコンサートやレコーディングなど常にインディペンデントなスタンスで活動。“Filament”“Cathode”“大友良英New Jazz Quintet”などのプロジェクトを展開するほか、様々なアーティストとコラボレーションしている。また数多くのサウンドトラックも手がける。
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『花様年華』   presented by CINRA
花様年華
2000年/98分
配給:松竹
監督・脚本・製作:ウォン・カーウァイ
出演:トニー・レオン、マギー・チャン、レベッカ・パン、ほか
撮影:クリストファー・ドイル
音楽:マイケル・ガラッソ、ほか
   コメント
「60年代の香港が舞台のラブストーリーに、作曲家マイケル・ガラッソが音楽を合わせる。時代をかたどるBGMや雨音に聴く男と女の距離感とバランス。その精妙な音使いによって、まるでふたりの想いが伝わってくるかのよう。ラテン系音楽や中国楽曲などの多国籍音楽の不思議な組み合わせと映像美は、爆音上映として観ごたえのある作品である」(CINRA)
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かえる目+『喜劇 とんかつ一代』 ライヴ+映画上映 presented by map
1963年/94分
配給:東宝
監督:川島雄三
出演:森繁久弥、加東大介、淡路千景、フランキー堺、三木のり平、ほか
製作:佐藤一郎、椎野英之
原作:八住利雄
脚本:柳沢類寿
撮影:岡崎宏三
音楽:松井八郎
   『喜劇 とんかつ一代』 解説
高級洋食店と庶民的なとんかつ屋の確執を、主演の森繁自らが歌う「とんかつの唄」などユーモラスな音楽とともに描いたコメディ。
   『喜劇 とんかつ一代』 コメント
「古びたシャリシャリのプリントの向こうから、とんかつを言祝ぐすばらしい歌子がやってくる! いまから楽しみでしかたない! (じつはまだ見たことがない)」(かえる目・かえるさん)
    かえる目(かえるもく) プロフィール
かえるさんこと、細馬宏通の作詞作曲と不安定なボーカル、宇波拓・木下和重・中尾勘二によるつつましくも練達の演奏によるカルテット。2007年、「おっさんの体にユーミンが宿る」というキャッチコピーのもと、1st アルバム『主観』をリリースした。
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『狂気の海』   映画美学校作品セレクション (講師と受講生のコラボレーション作品)
2007年/34分
提供:映画美学校
監督・脚本:高橋洋
出演:中原翔子、田口トモロヲ、長宗我部陽子、浦井崇、宮田亜紀、ほか
撮影:山田達也
音楽:長嶌寛幸
録音:臼井勝
効果:井野大地、梶田豊土
   解説
第9期フィクションコース高等科で講師と受講生のコラボレーションとして制作された作品。憲法9条も核兵器も政治とは呪術だった……。「霊的国防」の狂気が甦る。高橋の壮大な映画世界を長嶌寛幸の音楽がさらにスケールアップしている
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『granité (グラニテ)』   (映画美学校作品セレクション(受講修了作品+修了生作品)
2007年/15分
提供:ユーロスペース
監督・脚本:大野敦子
出演:大下源一郎、水上竜士、土屋シオン
撮影:佐々木靖之
音楽:mr.a
録音・整音:光地拓郎
   解説
放火による一家心中の生き残りという過去を持つ男が、弱さのあまり家族を道連れに死んでいった父親の影と、一緒に暮らすおじの心の闇に対峙していく。
   大野敦子監督からのコメント
「頭の中で鳴るじゃりじゃりとした苦しみと、燃えるような思いと」
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『CLEAN』   提供 : 株式会社シネフィル
CLEAN
2004年/114分
監督:オリヴィエ・アサイヤス
出演:マギー・チャン、ニック・ノルティ、ベアトリス・ダル、ジャンヌ・バリバール、ドン・マッケラー、マーサ・ヘンリー
製作:ニヴ・フィックマン、グサヴィエ・ジャノリ、ザヴィエル・マーチャンド、エドワール・ヴァイル
脚本:オリヴィエ・アサイヤス
   撮影:エリック・ゴーティエ
音楽:ブライアン・イーノ、デヴィット・ローバック、トリッキー
   解説
『デーモンラヴァー』におけるソニック・ユースの轟音から一転、マギー・チャンのシンプルな歌声に母と子の、子と父の物語が託される。バンド仲間だった夫の死によって、まるで孤児のように世界を彷徨う女。生々しいパリのざわめく空間を経由して、彼女が最後に辿り着いたのはレコーディング・ブースだった。本作でマギー・チャンはカンヌ映画祭主演女優賞を獲得。日本劇場初公開。
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『ココロ、オドル。』   
2004年/23分
提供:Huit Lab.
監督・脚本:黒沢清
出演:浅野忠信、ほか
撮影:黒沢清、松本岳大
音楽:シーナ&ロケッツ
   解説
雑誌「Invitation」の企画で作られた短編。過去とも未来ともつかぬ世界で、遊牧民と定住民、さらには別の共同体が、野蛮な原理によって融合されてゆく。台詞はインタータイトルのみで、スクリーンプロセスの使用や集団の演出など、まるで無声映画を思わせる体裁を持つが、自然と人間が生み出す凶暴な環境音こそが人々の融合を促す。長嶌寛幸と樋口泰人が爆音上映用に音をリミックスした特別ヴァージョンでの上映。
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『3-4X10月』 presented by スタジオ・ボイス
3-4X10月
1990年/96分
配給:松竹
監督:北野武
出演:小野昌彦、ビートたけし、石田ゆり子、井口薫仁、飯塚実、渡嘉敷勝男、ほか
製作:奥山和由
プロデューサー:鍋島寿夫、森昌行、吉田多喜男
脚本:北野武
撮影:柳島克己
   解説
深作欣二の監督代行として『その男、凶暴につき』で監督デビューを飾った北野武が、その才能を真に証明した監督第2作。しがないガソリンスタ ンド店員が、元ヤクザのスナック店主に代わって復讐を果たすひと夏の物語。乾ききった風景の内部で、あらゆる価値や意味を削ぎ取られた暴力 遊び、消え去っていく。『ソナチネ』以降におけるキタノ作品すべての萌芽がここにある。
   コメント
「風にそよぐ草だとか、振り回されるバット。ラジオから聞こえてくる声と音楽、遠くで鳴っている町のざわめき、肉と肉のぶつかり合いなどなど 。気持ちよさから笑いを経て禍々しさに至るまで、すべてが音によって増幅されている。隅から隅まで、爆音で舐め尽くすように体験したい映画」 (スタジオ・ボイス)
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テニスコーツ&梅田哲也+『白い花びら』 『Harmonies』 ライヴ+映画上映 presented by map
JUHA  1998年/78分
配給:ユーロスペース
監督・脚本・製作:アキ・カウリスマキ
原作:ユハニ・アホ
出演:サカリ・クオスマネン、カティ・オウティネン、ほか
撮影:ティモ・サルミネン
Harmonies
2008年/96分
提供:ontonson
監督・撮影:元宮正吾
出演:二階堂和美、さや、植野隆司、ほか
音楽:にかスープ&さやソース
   『白い花びら』 解説
フィンランドの国民的文学作家ユハニ・アホが1911年に執筆した原作をベースにした「20世紀最後のサイレント映画」。
   『白い花びら』 コメント
「『白い花びら』はかなり変な映画です。初めて見たときはビックリしすぎて、どう考えて良いのか分かりませんでした。白黒の画面といい、ストーリーといい、昔のサイレント映画の典型なのですが、ついている音楽がどういうわけか合っていません。映像と音との関係を!」(テニスコーツ・植野隆司)
    『Harmonies』 解説
テニスコーツのさやと二階堂和美によるユニット“にかスープ&さやソース”の姿を追ったドキュメンタリー。1stアルバム『イピヤー』の録音風景から、ライヴ、私生活まで、彼女たちの音楽とその創作に対する姿勢が記録されている。
    テニスコーツ&梅田哲也  プロフィール
さや(ボーカル、キーボード)と植野隆司(ギター、サックス)を中心とする不定形ユニット。ディスコグラフィに『ぼくたちみんなだね』『テニスコーツのテーマ』『エンディングテーマ』がある。今回は、日本で最も大きな抽斗を持つサウンド・アーティスト梅田哲也との競演で登場。無声映画『白い花びら』の上映とともに演奏を披露。
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『台風クラブ』   リクエスト投票選出作品
1985年/115分
配給:ディレクターズ・カンパニー
監督:相米慎二
出演:三上祐一、紅林茂、工藤夕貴、大西結花、三浦友和、ほか
製作:宮坂進
脚本:加藤裕司
撮影:伊藤昭裕
音楽:三枝成章、バービー・ボーイズ
   解説
『ションベン・ライダー』の相米慎二監督による極北の青春映画。バービー・ボーイズのビートによって加速する無軌道なダンス、そして台風の中で孤立した夜の学校で催される秘密の祝祭において、少年/少女の身体は極限まで疲弊し、そしてあらゆる束縛から解放されていく。第1回東京国際映画祭ヤングシネマ部門大賞受賞作。
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『月へ行く』   映画美学校作品セレクション (講師と受講生のコラボレーション作品)
2000年/35分
提供:映画美学校
監督:植岡喜晴
出演:遠山智子、加藤賢崇、戸田昌宏、宮田亜紀、ほか
脚本:遠山智子、植岡喜晴
撮影:秋元エマ、川野由加里、橋本彰子、遠山智子
音楽:野本昌嗣、渡辺拓実、熊野友美
録音:高野美和子、島田宜之
   解説
『夢で逢いましょう』をはじめ奇抜な映画で独自の世界を築いて来た植岡喜晴が、2000年にフィクションコース高等科の受講生とのコラボレーションで制作した終末的ホームドラマ。地球にはUFOが飛び交い、やがて轟音とともに大地震が起こり世界は……。
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トクマルシューゴ+『ティム・バートンのコープスブライド』 ライヴ+映画上映 presented by map
CORPSE BRIDE 2005年/77分
配給:ワーナー・ブラザース
監督:ティム・バートン、マイク・ジョンソン
声の出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、ほか
製作:アリソン・アベイト、ティム・バートン
脚本:パメラ・ペトラー、キャロライン・トンプソン、ジョン・オーガスト
撮影:ピート・コザチク
音楽:ダニー・エルフマン
©Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
   『ティム・バートンのコープスブライド』 解説
ティム・バートンがストップモーション・アニメで描くダーク・ラヴストーリー。
   『ティム・バートンのコープスブライド』 コメント
「この物語に思い入れがあるかというとそうでも無いのですが、普通に流して見てしまいがちなところにポイントがあって。たった1秒の動きをコマ撮りするのに10時間も費やすような手法、そんな途方もないバカげた手法をとっているのに、それを感じさせないところに共感が持てます。ただ、爆音で見たからってどうなるかは、さっぱりわかりません…」(トクマルシューゴ)
    トクマルシューゴ プロフィール
様々な楽器、ノコギリや玩具などの非楽器を演奏し、録音、編集までをひとりで行う。2004年、1stアルバム『Night Piece』をリリース。「WIRE」「Rolling Stone」誌など世界各地のメディアで絶賛される。05年に2nd『L.S.T.』、07年に3rdアルバム『EXIT』を発表した。
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佐々木敦+『ヌーヴェルヴァーグ』  (日本最終上映)  レクチャー+映画上映
NOUVELLE VAGUE 
1990年/89分
配給:ザジフィルムズ
監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:アラン・ドロン、ドミツィアーナ・ジョルダーノ、ラファエル・デルパール、ロランス・コート、ほか
製作:アラン・サルド
撮影:ウィリアム・ルプチャンスキー
録音:フランソワ・ミュジー、ピエール=アラン・ベス、アンリ・モレル
   『ヌーヴェルヴァーグ』 (日本最終上映)  解説
ゴダールが彼にしかできないやり方でアラン・ドロンの新たな顔を引き出した作品であり、80年代を通してゴダール=ミュジーが探究し続けた映画音響の到達点ともいえる作品。全編に渡って映し出される湖に澄んだ音の粒子がきらめく。
   佐々木敦 プロフィール
批評家。HEADZ代表。音楽、映画、文学などジャンルを超えた批評活動を展開。近年ではカルチャー・コンプレックス・スクール“BRAINZ”を主宰、また雑誌「エクス・ポ」の編集発行人を務めるなど、その活動はさらに多様化している。近著に『絶対安全文芸時評』(インファス)、『LINERNOTES』(青土社)など。
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『逃れがたし』  映画祭ボランティア作品
2008年/38分
監督・脚本:近藤明範
出演:兼田佳実、神藤彩子、大川哲史、大工原正樹
制作:大川哲史
撮影:岡崎健
録音:青山あゆみ、岡田雄介
楽曲提供:キャプテン・パピー
   解説
映画美学校講師、植岡喜晴監督のゼミ内で制作した自主映画。
   あらすじ
映画美学校講師、植岡喜晴監督のゼミ内で制作した自主映画。 親友の女二人、たかみとみーこ。二人で、飯を食ったり、当たり屋し たり。 たかみは、日々をCDに録音する。「遠くに行きたい。体が邪魔や。」と。 ある日、二人の間に男が現れる。たかみは、彼のためにコロッケ作り に励み、デートを望む。しかし、ある日、みーこが彼と共に町を出ると別れを告げにやってくる。 たかみは、みーこが邪魔になる・・・
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『NOBNOBLUES』   映画祭ボランティア作品
NOBNOBLUES

2007年/46分
監督:冨永圭祐
出演:仲間伸秀ほか
   あらすじ
幼なじみと組んでいたバンドが突然解散した。一人で何ができるのか、何もできないのか、裏切られて、再会して、裏切られて、とりあえずノブは、ギターを弾いた。
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『爆撃機の眼』   映画美学校作品セレクション (受講修了作品+修了生作品)
2004年/60分
提供:映画美学校
監督・脚本:八坂俊行
出演:河井青葉、山岸彩子、戸田昌宏、佐野和宏、蛍雪次朗、ほか
撮影:清水信貴
音楽:賃貸人格、徳久ウィリアム幸太郎、竹田和也、栗生こずえ、冨樫広傑、吉田ヒロアキ
録音:早川一馬、久世圭子
   解説
第5期フィクションコース高等科の修了製作として作られた作品。担当講師であった瀬々敬久が「映画美学校史上最高」と激賞した。奇妙な効果音(音楽)の中で世界が崩れ行く、屈折と過激なフェティシズムに彩られたサスペンス。
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『パリ、テキサス』  presented by タワーレコード吉祥寺店
PARIS,TEXAS
1984年/146分
配給:フランス映画社
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー、ハンター・カーソン、ディーン・ストックウェル、オーロール・クレマン、トム・ファレリ、ベルンハルト・ヴィッキ
製作:クリス・ジーヴァニッヒ、アナトール・ドーマン
脚本:サム・シェパード、L・M・キット・カーソン
撮影:ロビー・ミューラー
音楽:ライ・クーダー
 
   解説
かつて突然消息を絶った男・トラヴィスが、置き去りにした息子と4年ぶりに再会し、ロサンゼルスからテキサスまで妻・ジェーンを捜し求める旅に出る。それまでのヴェンダースのロードムーヴィーにつきものだったジュークボックスやロックンロールの代わりに、本作ではライ・クーダーのギターがテキサスの乾いた大地とアスファルトに染み渡る。1984年カンヌ映画祭パルム・ドール受賞作。
   コメント
「この“爆音映画祭”の話をいただいた時に、真っ先に頭に浮かんだ映画が『パリ、テキサス』。映画はもちろんなのですが(なんたってヴィム・ヴェンダースですからね!)、その音楽を担当しているライ・クーダー(『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』でも有名)が奏でる“音”がとにかく素晴らしいのです。登場人物の心象風景を、彼のボトルネック・ギター1本だけでここまで美しく描いてしまうのかと驚愕してしまうほどの“音”の存在感は、今まで経験したことのない体験をさせてくれること間違いなし。ましてやその”音”を爆音で観られるなんて……考えただけでも鳥肌もの! “音”の聴きどころは全編に流れる音楽全てなのですが、「ここだけは?」と聞かれたら、ハリー・ディーン・スタントン演じるトラヴィスと、ナスターシャ・キンスキー演じるジェーンが久々に再会するシーンで流れる「カンシオン・ミクステカ」というトラディショナル・ソングのどこまでも美しく、優しく、そして静かに爪弾かれるその“音”でしょうか。ハンカチ1枚では足りないほど、自然と涙腺がウルウル、涙がポロポロと流れてしまう。年のせいかな?」(タワーレコード吉祥寺店)
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『バンド・オン・ザ・ラン』   提供 : グラッシィ
Band on the Run
1982年/83分
制作・監督:ハリー・ホッジ 出演:ポール・ニールセン、ウェイン“ラビット”バーソロミュー、ブルース・レイモンド、ブライアン・クーリガン、ほか
音楽:ポール・マッカートニー&ウィングス、ほか
©Henry Roberts Films
   解説
若き4人のオーストラリア人サーファーたちが南アフリカ、フランス、カリフォルニア、そしてハワイまでと世界中を旅する「サーフ・トリップ」。監督ハリー・ホッジが本物のサーファーたちとともに行なった旅が、過去における物語として語られることで、すべての波は確実に現実でありながらどこか幻想めいたものとなる。その波をストイックに追い求める彼らだけが楽園を発見する。そしてそれを体験する我々も然り。タイトルトラックでもあるマッカートニー&ウィングス「バンド・オン・ザ・ラン」がそのことを確実に知らしめるだろう。82年制作の伝説のサーフ映画、日本劇場初公開。
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『プライベート・ライアン』   リクエスト投票選出作品
SAVING PRIVATE RYAN
1998年/170分
配給:パラマウントピクチャーズジャパン
監督・製作:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス、マット・デイモン、トム・サイズモア、エドワード・バーンズ、ジェレミー・デイヴィス、ほか
製作:イアン・ブライス、マーク・ゴードン、ゲイリー・レヴィンソン
脚本:ロバート・ロダット
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムズ

TM & c 1998 PARAMOUNT PICTURES and DREAMWORKS LLC and AMBLIN ENTERTAINMENT. ALL RIGHTS RESERVED.
   解説
第二次大戦において「史上最大の作戦」と言われたノルマンディ上陸作戦を背景に、戦渦の中たったひとりの兵士・ライアン二等兵を捜索し救出するよう命じられた8人の兵士たちと、ライアンが辿った運命を描く戦争映画。ヤヌス・カミンスキーによる手持ちカメラとアカデミー賞受賞の最高峰の音響技術を駆使した、冒頭20分以上に及ぶノルマンディ上陸時の戦闘シーンの壮絶さはあまりに有名。
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牧野貴 映像作品集   
Tranquil 2007年/20分 音楽:牧野貴
EVE 2002年/3分 音楽:牧野貴
No is E 2006年/23分 音楽:ジム・オルーク
Elements of Nothing 2007年/20分 音楽:ジム・オルーク
Diaries 2008年/20分 音楽:佐野公祐
新作(タイトル未定) 2008年/約30分 音楽:ジム・オルーク
   解説
フィルムとビデオ、ふたつのメディアを最大限に活用し、また映像と音楽を同価値に捉えた作品をコンスタントに発表し続けている若き映像作家・牧野貴の作品集。光の運動や波の揺らぎなどを捉えられた映像の粒子と、ジム・オルークらが手がける音の響きの融合はそれを観る・聴くもの視覚・聴覚を研ぎ澄まさせる。07年イメージフォーラムフェスティバルで寺山修司賞を受賞した『No is E』など、6作品を上映。
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赤坂大輔+『夜よ、こんにちは』  レクチャー+映画上映
BUONGIORNO, NOTTE
2003年/105分
配給:ビターズ・エンド
監督・脚本:マルコ・ベロッキオ
出演:マヤ・サンサ、ルイジ・ロ・カーショ、ロベルト・ヘルリッカ、ほか
撮影:パスクァーレ・マリ
音楽:リカルド・ジャーニ
 
   『夜よ、こんにちは』 解説
極左武装集団“赤い旅団”がアルド・モロ元イタリア首相を誘拐した歴史的事件を題材に、元首相を自身のアパートに匿う役割を担った女性の葛藤を描く。チネチッタのセットで再現されたアパートの部屋に差し込む光や外部から進入してくる音が、緊迫した空間を際だたせている。
   赤坂大輔  プロフィール
批評家。シネクラブ“New Century New Cinema”主宰。97、99年にアテネ・フランセ文化センターで「ポルトガル映画講座」をプロデュースし、ペドロ・コスタ、ジョアン=セザール・モンテイロといった映画作家を紹介。その批評は、世界各地の知られざる映画に目を向けさせてくれるだけでなく、映画における音の重要性を考えさせてくれる。
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『RIZE』  presented by CDジャーナル ハナレグミ永積タカシ・セレクション
RIZE
  2005年/87分
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
監督:デヴィット・ラシャペル
出演:トミー・ザ・クラウン、タイト・アイズ、
ドラゴン、リル・C、ミス・プリッシー
製作:リッチモンド・タローガ、トーン・タローガ、マーク・ホーカー
撮影:マイケル・トッテン、モーガン・サッサー
編集:フェルナンド・ヴィレナ
音楽:レッド・ローニン
  上映終了後にハナレグミ・永積タカシのトークショーあり!
   解説
マドンナもPVに用いてしまった世界最強のヒップホップダンス、「クランプダンス」。かつてロス暴動をきっかけに誕生したとも言われるこのダンスに、文字通り命と身体を賭ける、LAサウスセントラルの若者たち。誰もが苛酷な生を生きる。だが誰もがクラウンであることを知っている。だから踊り、トランス状態へ突入する。新たな知覚を獲得するために。
   コメント
「これは からだ の映画です
汗にギッテリ輝く肌の下
激しく 欲するままに伸縮を繰り返す筋肉のスムーズな動きを見る映画です
彼らの表情が意識から光に解放される 永遠の一瞬 を記録した映画です
そして 僕らの からだ が ぎんぎん 共鳴するのを聴く映画です
絡み合う湿度が 僕らの脳を からだ しちゃうのだ
うなぎぱい が いっぱい」
(ハナレグミ・永積タカシ)
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『霊感のない刑事』(長尺版)映画美学校作品セレクション(講師と受講生のコラボレーション作品)
2004年/40分
提供:コムテッグ
監督・脚本・製作:篠崎誠
出演:嶋田久作、岡元夕紀子、諏訪太朗、井口昇、眞島秀和、ほか
撮影:松本岳大
音楽:長嶌寛幸
録音:臼井勝
   解説
「刑事まつり」シリーズの1本の完全版。俳優陣はプロ、スタッフはほぼ全員が美学校生のコラボレーションで作られた短編。謎の猟奇殺人事件を追う刑事が体験する異常な出来事を、シリアスなタッチとコメディタッチが水と油のごとく分離しながら物語を形作る異色作。
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『ロスト・ハイウェイ』   映画祭ボランティアによるリクエスト上映作品
LOST HIGHWAY
1997年/135分
配給:松竹
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ、バリー・ギフォード
出演:ビル・プルマン、パトリシア・アークエット、バルサザール・ゲティ、ロバート・ブレイク、ほか
製作:ディーパク・ギルフィード、トム・スターンバーグ、メアリー・スウィーニー
撮影:ピーター・デミング
音楽:アンジェロ・バダラメンティ、マリリン・マンソン、ほか
   解説
妻とともに平穏な暮らしを送るサックス奏者の主人公のもとに、差出人不明のビデオテープが届く。その映像には妻の切り刻まれた死体と、血を浴びた彼自身の姿がに映っていた……。『ツイン・ピークス』から5年の時を経て撮られた、リンチ第2の原点的作品。
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『ワイルドバンチ / オリジナル・ディレクターズ・カット』   リクエスト投票選出作品
THE WILD BUNCH
1969年/145分
配給:ワーナー・ブラザース
監督:サム・ペキンパー
出演:ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン、ウォーレン・オーツ、ほか
製作:フィル・フェルドマン
脚本:サム・ペキンパー、ウォロン・グリーン
撮影:ルシアン・バラード
音楽:ソニー・バーグ、ジェリー・フィールディング
   解説
時代の変遷の中で滅び行くならず者たちの姿を描き続けたサム・ペキンパーが放つ「最後の西部劇」。銀行強盗に失敗した札付きの賞金首たちがメキシコに流れ着き、将軍から武器輸送列車襲撃を依頼される。そこには正義と悪の対立などなく、資本と権力への絶望的な闘争だけがある。3600に及ぶカット数とスローモーションによって描かれた銃撃戦を、浪費される弾薬と溢れかえる死が満たす。そして銃声の間隙をぬって、男たちはふと視線を交わし笑い声をあげる。
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